5月の後の青春 アリス・ドゥボールへの手紙、1968年とその後
¥1,800
今やフランスを代表する監督のひとりオリヴィエ・アサイヤスの自伝ともいえる本書は、しかし映画ファンの期待を見事に裏切るように、映画のタイトルや監督たちの名前も登場しない。
唯一の例外がギー・ドゥボール。60年代、ドゥボールの率いた「アンテルナシオナル・シチュアシオニスト」の活動とその後のドゥボールの映画が著者やフランス映画、フランス社会にどれだけの影響を与え今日に至るか。若き時代の著者の過ごした日々の現実と思考とが、奔流となって綴られていく。今は亡きギーの妻、アリスへの手紙という形で記されたオリヴィエ・アサイヤスの半生は、そのまま70年代以降を生きるフランス社会やフランス映画の早すぎた自叙伝ともなっている。
映画を映画以外の動きの中から見つめることで、
映画とは何かを問い詰める切実な言葉が溢れ出す政治と映画と運動の書。
オリヴィエ・アサイヤス(Olivier Assayas)
1955年フランス、パリ生まれ。
70年代、カイエ・デュ・シネマで映画評論家として活動後、84年にローラン・ぺラン監督の「Passage Secret」で脚本家デビュー。以後、アンドレ・テシネ監督作『ランデヴー』(85)、『溺れゆく女』(98)等の脚本を執筆。86年に初の長編「Désordre」を監督。以後、『パリ・セヴェイユ』(91)、『冷たい水』(94)、『イルマ・ヴェップ』(96)、『HHH:候孝賢』(97)、『DEMONLOVER デーモンラヴァー』(02)などを手がける。その後もマギー・チャンがカンヌ国際映画祭主演女優賞を獲得した『クリーン』(04)、日本でも大ヒットした『夏時間の庭』(08)などがあり、最新作は『カルロス』(10)は合計5時間30分の大作となった。
■翻訳:彦江智弘(横浜国立大学准教授 フランス文学専攻)
商品詳細
仕様: 四六変形判/上製本/200ページ
ISBN: 978-4-9904938-3-7
発行: boid
著者: オリヴィエ・アサイヤス