ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture
¥4,400
著者 Soi48
版元 自主出版
仕様 中綴じ・オールカラー・オリジナルシュリンク
判型 257 x 182 x 7mm
頁数 228P
部数 限定1,500部
Budots、Saiyor、Vinahouse、慢揺、Fengtau、Funkot、Vei Lerng……「ADM(Asian Dance Music)」とはアジア各地域に分布する、これら聞き慣れないエレクトロニック・ダンスミュージックの形態を総称する造語である。その解釈は単に音楽的構造だけに収斂されるものではなく、DJスタイルから夜遊びの作法、ダンス、ファッショントレンド、SNS、空間デザイン・音響・照明、さらには業界の商慣習から楽曲の流通経路に至るまで、それぞれの土地土地で歴史的・社会的・言語的背景に影響を受けながら、独自の発展を遂げてきた千姿万態のダンスミュージック文化全体をその射程に収める。知覚しうる限りの、アジアの若者たちの生活の実状(リアル)──つまり、もう全部である。
2017年にタイ伝統音楽の「教科書」とも言える『TRIP TO ISAN 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』の執筆を終えたSoi48が次に向かったのは、アジアの人々がつくり出す「夜の現場」だ。宇都木景一と高木紳介の二人は仲間たちとともに、タイ、ベトナム、ラオス、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、台湾、韓国、日本を旅しながら、各地のナイトクラブやフェスティバル、シークレットレイヴ、移民労働者向けディスコに通い詰め、関係者たちとの交流を深めながら、その知られざるクラブカルチャーの秘景を記録し続けてきた。
本書『ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture』に収録された計167点の写真は、世界的な隔離期間を含む2017年から2025年のあいだに撮影され、アジア各地域で愛され、育まれてきた「ADM」の生態を写し出した貴重なヴィジュアル・アーカイブを提供している。現地に足を運ぶことでしか得られない独占的なスナップショットの数々は、それぞれの地域のダンスミュージック愛好家たちがもつ創意工夫・機知・情熱の結晶を照らし、均質化するグローバリゼーション中で、またべつの未来を予感させてくれるものである。
■Soi48
DJ、執筆、デザイン、パーティー活動を通じてアジアの魅力を発信する2人組。その関心は、古い伝統音楽から最先端のダンスミュージック、レコードからインターネットに落ちている音源まで、多岐にわたる。映画『バンコクナイツ』(空族)や、EM Recordsのタイ音源シリーズ監修のほか、トークイベント、テレビ、ラジオ出演などを通じて、アジア音楽や旅の魅力を紹介している。著書に『TRIP TO ISAN:旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』(DU BOOKS)、『OMK#001』(OMK)、『ADM: Asia’s own unhinged club culture』がある。現在アジア各国のダンス・ミュージック、サウンドシステム文化を調査中。